4月 10日 (金)遠州公所縁の地を巡って
2015-4-10 UP
4月 10日 (金)遠州公所縁の地を巡って
「孤篷庵(こほうあん)」
ご機嫌よろしゅうございます。
遠州公は慶長十七年(1612)三十四歳
龍光院に江月宗玩を開山として孤篷庵を創設します。
この孤篷は二十代の時に
春屋宗園禅師から賜った号で
以下の偈が残っています。
扁舟聴雨 漂蘆萩間(扁舟雨を聴いて、芦萩の間に漂う)
天若吹霽 合看青山(天もし吹きはらさば、青山を看るべし)
故郷琵琶湖に漂う孤舟にたとえ
いまだ禅において修行の道なかばの状態にある遠州公の姿を、
「天がもし風雨を吹き払ったならば
すがすがしい青山を看ることができる。
すなわち禅の境涯に達することができれば
その道で成功を収められるであろう。」
と将来の遠州公の境涯を看破し、
教え導いています。
春屋禅師は遠州公が最も深く帰依した師で、
「宗甫」「大有」の号も師からいただいています。
生涯の茶会において一番多く掛けられた墨跡も
春屋禅師であり、正月三が日の掛け物は必ず
師の墨跡を掛けたそうです。
後、寛永二十年(1643)遠州公六十五歳のおりに、
現在の地に孤篷庵を移築し、
晩年を過ごすことになります。