駿府 遠州の名の由来
2019-11-15 UP
秋霧の浪間に浮かぶ三保の松原。
眼下に広がる絶景に動くことができずにいた
遠州一行、陽もくれ始めて惜しみつつ寺を降ります。
江尻の里での休息の後、一行は府中へ。
遠州30歳の時、大御所家康の居城駿府城天守閣作事を担当し、
その功績から遠江守を任官し、以後小堀遠州と
呼ばれることになりました。
任務にあたった慶長13年(1608)一年間この地に滞在した
思い出深い地でもあり、当時の場所を尋ねてみると草深く
荒れ果て、人の気配も感じられない様子でした。
住み慣れし宿は葎にとぢられて
秋風通ふ 庭の蓬生
と、目の前の寂れた景色に、過ぎていった時の
流れに想いをよせる遠州でありました。