梅若(うめわか)の涙雨(なみだあめ)
2014-4-15 UP
4月15日 梅若(うめわか)の涙雨(なみだあめ)
旧暦3月15日の江戸は
雨になることが多かったといいます。
この日に降る雨を
「梅若の涙雨」と言っていました。
謡曲「隅田川」の梅若丸は、
大変頭の良い稚児でしたが、寺院内での争いに悩み
京都の寺をこっそり抜け出したところ、
人買いに誘拐されてしまいます。
東国へ連れていかれる途中に病気になり
隅田川のほとりに捨てられます。
それを哀れんだ土地の人達の、手当ての甲斐も虚しく
梅若は3月15日に息を引き取ります。
たずねきて問はば答えよ都鳥
すみだ川原の露と消えぬと
我が子の死を知った母はこの地で剃髪し、妙亀尼と名乗り
庵を立てて念仏三昧の日々を送ります。
それから3年後、池の水に映る我が子の姿をみてそのまま飛び込み
死んでしまったといいます。
現在も隅田川のほとりには梅若を祀る木母寺に
梅若塚が建てられています。