七草
2014-1-7 UP
1月7日
ご機嫌よろしゅうございます。
今日はこの和歌からご紹介したいと思います。
『君がため春の野にいでて若菜つむ
我が衣手(ころもで)に雪は降りつつ』 古今集
あなたにさしあげるために野辺に出て、若菜を摘んでいると、 まだ春が浅く、私の袖に淡雪がしきりに降りかかってきます。
光孝天皇(830ー887)作、百人一首でもおなじみのお歌です。
初子の日にもご紹介しましたが、 若菜摘みの風習は古くからあり、 春の若菜を食するのは、邪気を払うものとされ、 現在でも七草粥を食べる風習が残っています。
この七草粥の風習は 平安時代、中国の年中行事である「人日」(人を殺さない日)に作られる 「七種菜羹〔ななしゅさいのかん〕(7種類の菜が入った吸い物)」 の影響を受けた「七種粥」が、「若菜摘み」と結びつき、 七草粥になったと考えられます。
この七草粥の風習が庶民に定着していったのは 人日の節句として公式行事となった江戸時代から。
さて1月7日の今日はその七草です。
「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」 ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、 スズナはカブ、スズシロはダイコンのこと。
これらは今で言う日本のハーブのようなもので お節料理で疲れた胃を優しくいたわります。
ビタミン補給の意味もあり、理にかなった食事です。
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