4月 6日 (月) 青柳(あおやぎ)
2015-4-6 UP
4月 6日 (月) 青柳(あおやぎ)
青柳の 糸よりかくる
春しもぞ 乱れて花の ほころびにける
ご機嫌よろしゅうございます。
桜の美しい姿を愛で、春の季節を満喫する
頃ですが、同時に青々とした柳の揺れる様を
眺めるのも楽しいものです。
この和歌は
古今集 春上 紀貫之(きのつらゆき)
の和歌です。
青柳が糸を縒(よ)り合わせたように
風になびいているこの春に、
一方では桜の花が咲き乱れていたことよ。
柳と桜は共に都の春を彩る代表的なもので
風になびく青柳の細枝と、咲き乱れる桜の花の
緑と紅の色の対比が、都の春の風景を色彩豊かに
とらえた和歌です。
禅語にも「柳緑花紅(やなぎはみどりはなはくれない)」
という言葉があります。
瀬戸間中古窯に遠州公が「青柳」と銘命した
茶入があります。
釉薬の流れがまさしく青柳の細い枝のような景の
茶入です。