一夜落花雨
2014-4-1 UP
4月1日 一夜落花雨(いちやらっかのあめ)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から4月。
入学式や新生活を迎える方も多い月ですね。
四月は卯月ともいい、卯の花つまり空木の花の咲く月という
異名もあります。
たくさんの美しい花々を楽しめる
一年でも最も明るく華やかな時期でしょう。
さて、花を愛でるのは、その姿だけではありません。
花の持つ香りも楽しみの一つです。
お香を聞くときも、少し湿った雨の日の方が香の香りが
よく味わえますように、やはり花の香りも
しっとりとした雨上がりの方が、その甘い香りが際立ちます。
今日はそんな香りにちなんだ禅語を御紹介します。
一夜落花雨(いちやらっかのあめ)
この言葉は
美しい花を落としてしまうほどの雨
しかし、一夜明けると、その雨が地を潤し、
花の香りで満ちていた。
という意味です。
この語は
当時字がうまいと評判だった二代大膳宗慶が
八歳のとき(寛永五年・1628)、宮中に召され
後水尾天皇・東福門院の御前でこの言葉を書きました。
その日雨が降っており
「嘉泰普燈録(かたいふとうろく)」という禅宗史伝書の
第六にある「一夜落花雨満城流水香」の語を選び
一同を感心させたと言います。