5月30日(月)ほととぎす

2016-5-30 UP

5月30日(月)ほととぎす

 

ご機嫌よろしゅうございます。

先週御紹介しました小倉色紙が登場する

こんな逸話がありますので、御紹介します。

 

聚楽第にて関白秀次が、

利休をはじめとする客を招いた時のこと

時は四月二十一日、暁の頃茶室には短檠の明かりもなく、

ただ釜の煮え音ばかりが聞こえるだけ

さて一体どういった御作意でろうと思っていると

利休の後ろにある障子が、ほのぼのと赤くなっていく

不思議に思って障子を開けると

月影が床の間を照らしている。

にじり寄って見てみると

 

ほととぎす鳴きつる方をながむれば

ただ有明の月ぞ残れる

 

の小倉色紙の掛け物がかかっていました。

なんと素晴らしい御作意であろうと

皆感嘆したのだそうです。