12月 9日(金)能と茶の湯「岩橋」
2016-12-9 UP
12月 9日(金)能と茶の湯「岩橋」ご機嫌よろしゅうございます。利休作竹一重切花入「岩橋」をご紹介します。竹が侘びた錆味を見せ、裾に未完成とも思える鉋目(かんなめ)があることから遠州公が、明けぬ間をたのむ一夜の契だに尚かけわぶる久米の岩橋の古歌より引用し命銘されました。「久米の岩橋」は能に登場しました伝説上の石橋で、役行者が大和国葛城山の一言主に葛城山から吉野金峰山に架設を命じますが、一言主は己の醜い要望を恥じ、夜だけしか働かなかったため工事は完成しませんでした。この伝説になぞらえて遠州公が命銘されています。