歌銘(うためい)
2014-12-17 UP
12月 17日 歌銘(うためい)
ご機嫌よろしゅうございます。
遠州公が中興名物茶入の選定に際し、
「歌銘」を多くつけたことは、
これまでに何度かお話してまいりました。
その出典は勅撰集を中心に、古典的な
和歌から言葉を選び、つけられています。
雅で洗練された「綺麗さび」を象徴するもの
の一つです。
しかしこの「歌銘」
遠州公が初めて使ったわけではありません。
今のところ一番古い「歌銘」は、
4月28日にご紹介した、義政公の「遅桜」
夏山の 青葉まじりのおそ桜
初花よりもめづらしきかな
といわれています。
しかし、それ以後は遠州公ほどに「歌銘」
を多用した茶人は他にいません。
また、和歌の選び方にも、遠州公は
これまでにない感覚を茶の湯に吹き込んでいます。