8世 小堀宗中

8世 小堀宗中
8世 小堀宗中

正優 正保 号・宗中 和翁 塩味 慶応3年6月24日(82才)

天明6年(1786)小堀大膳亮政寿(まさひさ)の嫡子として近江の小室に生まれた。幼名は梅之助。 天明8年(1788)5月6日、小室領地が没収されてからは、京都孤篷庵で育った。

 40年という長い浪々の身から、文政11年(1828)に幕臣として召しだされ、小堀本家の名跡を再興、改易の時に親類に引き取られていた、遠州以来の諸道具も戻され「遠州蔵帳」のほとんどが伝来する。 茶法は父、政寿や小堀家茶道頭の富岡友喜から学び、多くの弟子を育てる。 門下には、橋本抱鶴、田中孝逸、渡辺玄敬、竹腰篷月、土方篷雨、川路善八、横井瓢翁、秩父宗波、田村尭中、赤塚宗観、和田晋兵衛など。

 尾張徳川家に招かれ御蔵器財の分類、目利き、整理なども行うなど茶器の鑑定に長じ、茶道を通じて狩野派など芸術分野の人との交流も多く、合作で各種の作品を残している。

 慶応3年6月24日、82才の長寿を全うし、江戸屋敷で没した。